ビートパルプは主に馬など家畜飼料の繊維源として用いられているほか、ドッグフードでも同じく繊維源として、とくにウェイトコントロールが目的のフードなどでカロリーを下げるために配合される。ほかの食物繊維同様に、犬の腸内で腸内細菌に分解されやすく、分解を通して腸内細菌の育成環境を整え、腸内の健康維持に役立つ。ビートパルプの摂取量に伴い便中の水分量と排便頻度が増えることから、フード(乾燥重量)中7.5%程度までが食物繊維としての添加適量とされる。3)
巷では、ビートパルプに含まれる残留薬物などが懸念されているが、その薬物は砂糖シロップ抽出時など加工によるのものではなく、ほかの農作物同様に甜菜栽培時に使用され、蓄積される農薬の残留である。甜菜は世界で年間2億4千2百万トンが生産され、その生産地は主にEU(フランス、ドイツ、ポーランド)とアメリカ、そしてロシア、ウクライナ、トルコと続く。甜菜は、砂糖の原料として需要が大きいことから遺伝子組み換え対象の農作物の一つとなっており、全世界では栽培地の10%で、しかしアメリカとカナダにおいては栽培地の95%で、遺伝子組み換えされて除草剤耐性を持つ甜菜の栽培が行われている。4)
1)ベルギー国立ビートパルプ改良研究所(IRBAB/KBIVB)テクニカルガイド ”The Correct use of Pressed Beet pulp"
http://www.srcoop.com/articles/beetpulp_belgiansummary.pdf
2) M. Spagnuolo et al.: Fractionation of sugar beet pulp into pectin, cellulose, and arabinose by arabinases combined with ultrafiltration, Biotechnol Bioeng., 1999 Sep 20;64(6):685-91.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10417217
3) G. C. Fahey et al.: Dietary fiber for dogs: I. Effects of graded levels of dietary beet pulp on nutrient intake, digestibility, metabolizable energy and digesta mean retention time. J ANIM SCI 1990, 68:4221-4228.
http://jas.fass.org/content/68/12/4221.full.pdf
4) transGEN Zuckerrübe
http://www.transgen.de/datenbank/pflanzen/13.zuckerr%FCbe.html