リグノセルロースとは、草木の木質化した細胞壁を構成する一つのユニットである。その構造の中心には糸状のセルロースがあり、その回りをヘミセルロースと木質素リグニンが取り囲むことによって構成され、これらが相互に並んで繋がり合うことで細胞壁は作られている。
セルロースは動物の骨格になぞらえて「植物の骨格」ともいわれ、植物の細胞構造を保つためにブドウ糖を連ねて作られる強靱な炭水化物(多糖類)である。セルロースはすべての植物に含まれる。
セルロースを構成するブドウ糖同士の結合はβ1,4-グリコシド結合と呼ばれ、この結合はほ乳類の消化酵素では分解することが出来ない。腸内細菌などの微生物類によっては分解が可能であることから、ほ乳類が野菜などの植物を消化し栄養を得るために腸内細菌の働きが必要不可欠である。
樹木など植物から精製漂白されて作られるセルロースは、水を吸うと膨張して体積が増え、胃の中で長時間満腹感を持続してくれるので、低カロリーのライトフード素材としてよく用いられる。ほかの食物繊維素材同様に整腸作用があるが、糠のようにビタミン類やミネラル類を含まず、無味で、添加によるフード全体の味を損なうことがない。