大豆油の用途は主に食用で、サラダ油に用いられるほか、水素を添加して性状を硬くし、硬化油としてマーガリンやショートニングに加工され、多くの加工食品に用いられている。食用以外では、バスオイルやクリームなど化粧品へ用いられたり、印刷用のインクそしてバイオディーゼル(燃料)としても用いられる。大豆の主要な生産国はアメリカ、アルゼンチン、中国、ブラジルなどで、大豆はまた農作物の中で遺伝子組換えが行われている4大作物(大豆、木綿、トウモロコシ、菜種)の1つに数えられる。1)
大豆油は、その約50%がリノール酸(オメガ6系不飽和脂肪酸)であるほか、次いでオレイン酸(オメガ9系不飽和脂肪酸)、リノレン酸(オメガ3系不飽和脂肪酸)、ステアリン酸(飽和脂肪酸)、パルミチン酸(飽和脂肪酸)などで構成され、これら脂肪酸の比率は品種によって異なる。
大豆油に含まれるリノレン酸は、心臓病のリスク減少やアレルギー症状の改善によいとされるが、リノレン酸は他のオメガ3系不飽和脂肪酸(魚油に含まれるEPAやDHAなど)と同様に酸化しやすい性質を持つため、1990年代にはリノレン酸含有量を1%以下に抑えた品種も作られた。また、油の酸化を抑えるために水素を加え硬化油に加工された場合、大豆油は不飽和脂肪酸の構造の一部が変化したトランス脂肪酸を含む。
1)Die TransGEN-Datenbank Sojabohne
http://www.transgen.de/datenbank/pflanzen/67.sojabohne.html