中華料理などに欠かせないゴマ油は、ゴマ(学名:Sesamum indicum、ゴマ科ゴマ属)の種子から採れる油脂のこと。食欲を誘う独特の香りと茶色い色は、炒ったゴマの種子から作られる油ならではのもので、炒っていない自然のままの白いゴマから採れる油は香りも味もない薄黄色をしている。いずれも、低温での圧搾により得られる油である。
香りの強くない薄黄色のゴマ油はサラダに用いられたり、あるいは加工されて硬化油となりマーガリンの原料にも使われる。1トンのゴマから採れる油は、約300リットルとされる。
ゴマ油はその約40%がリノール酸(オメガ6系不飽和脂肪酸)のほか、オレイン酸(オメガ9系不飽和脂肪酸)をほぼ同じ量含み、またリノレン酸(オメガ3系不飽和脂肪酸)も約2%ほど含む。リノール酸とリノレン酸は犬にとっても必須脂肪酸に数えられ、オレイン酸は近年ガン遺伝子の活性を抑えることが動物実験で明らかになり、ガンの進行防止に注目されている。
油に含まれる脂肪酸構成の違いから、大豆油などと比較すると、抗酸化剤を加えなくても長期間風味が損なわれにくい。