一方シソ油とは、シソ科シソ(学名:Perilla frutescens var. crispa)の変種であるエゴマ(学名:Perilla frutescens var. frutescens)の種から採れる油のこと。本来エゴマ油と呼ばれ、アジアを中心に古くから食用や灯火の燃料として用いられてきた。
エゴマの油は現在本来の名前である「エゴマ油」と、ゴマと間違えやすい名称よりもなじみやすくシソ科植物由来の油であることを示す「シソ油」という名称の両方で消費者向けに販売されている。
エゴマの搾油方法は、種子そのままに圧力をかける低温生しぼりと、焙煎して独特の香りを出す焙煎しぼりという2つの方法がある。1)
シソ油には、オメガ3系の不飽和脂肪酸であるαーリノレン酸が30−60%ほど含まれ、これは植物油としては亜麻仁油(フラックスシードオイル)に並ぶ最も高い含有量である。αーリノレン酸のほかには、オメガ6系不飽和脂肪酸のリノール酸が約14%、オレイン酸(オメガ9系不飽和脂肪酸、オリーブ油の主成分)などが含まれる。
オメガ3系の不飽和脂肪酸といえば、魚油に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などが有名だが、シソ油に多く含まれるαーリノレン酸は酵素の働きにより体内でEPAやDHAへと作り替えられる、いわばEPAやDHAの原料である。しかし犬の体は、この原料となるべきαーリノレン酸自体を作り出すことが出来ないため、αーリノレン酸はほかの栄養と共に外部から摂取するべき必須脂肪酸のひとつに数えられる。
1)日本エゴマの会ふくしま「エゴマ油の搾り方」
http://egoma.co.jp/about/extract.html