アーモンド油とは、アーモンド(日本名:扁桃、学名: Prunus dulcis、バラ科サクラ属)の種子から低温圧搾または抽出されて採れる油のこと。低温圧搾で採れたアーモンドオイルは透明で濃い黄色をしており、抽出された油も透明だが薄い黄色でさらりとしている。菓子材料のマジパンの香り付けにアーモンドオイルは欠かせない。
油の原料となる種子には、スイート・アーモンド(Prunus dulcis var. dulcis)のものとビター・アーモンド(Prunus dulcis var. amara)のものの2種類があり、どちらも同じ木に実る種子である。
スイートアーモンドから採れる油は味がマイルドで、食用のほか石けんやクリームなど化粧品のベースオイルとして使われ、ビター・アーモンドからは精油(エッセンシャルオイル)が採れる。スイート・アーモンドへのビター・アーモンドの混入は5%までとされており、アメリカのカリフォルニア産アーモンド油に限っては、その100%がスイート・アーモンドからの油である。
アーモンド油は、その約80%がオレイン酸(オメガ9系不飽和脂肪酸)、約15%がリノール酸(オメガ6系不飽和脂肪酸)のほか、パルミチン酸などの飽和脂肪酸で構成される。また、脂溶性のビタミンAとEのほか、ビタミンB1、B2やB6も含まれている。
オレイン酸はガン遺伝子の活性を抑えることが近年の動物実験で明らかになり、ガンの進行防止に注目され、リノール酸は犬の体を維持するのに必要な必須脂肪酸の1つである。