キャノーラオイル

日本では天ぷら油などでよく使われるキャノーラオイル（Canola oil）とは、栽培菜の花（学名：Brassica napus）の1品種であるキャノーラ品種の種から採れる油のこと。キャノーラという名前が「CANadian Oil, Low Acid」に由来するとおりカナダで品種改良され、現在では北米全土やオーストラリアで多く栽培されている。

キャノーラ品種は従来の品種に比べ、不飽和脂肪酸のエルカ酸（またはエルシン酸：菜種油中50％を占め、酸化しやすい性質を持つ）とグルコシノレート（含硫配糖体：加水分解されると甲状腺肥大の原因物質であるチオシアン酸に変化）の含有量が極めて低いのが特徴。つまりキャノーラ品種から取れた油は酸化しにくく、甲状腺肥大の原因となりにくい。

なお、キャノーラ品種は1990年中頃にアメリカとカナダで遺伝子組換えにより除草剤耐性を持たせたのを皮切りに、現在では菜種品種の中でも遺伝子組換えが最も多く行われている品種の一つに数えられる。遺伝子組換えをされていないキャノーラ品種は、有機キャノーラである。

キャノーラオイルの成分は、約63％がオレイン酸（オリーブオイルを構成する一価の不飽和脂肪酸）、21％がリノール酸（オメガ6系不飽和脂肪酸）、9％がαｰリノレン酸（植物性オメガ3系不飽和脂肪酸）、7％が飽和脂肪酸といった構成である。