油の抽出は、まずはオリーブの実を粉砕することから始まる。伝統的には、粉砕後に圧搾して採れた液体を安静に置いて油層と水分層に分けるが、大規模な製造工場では、オリーブをペースト状になるまで粉砕して、遠心分離にかけ油層を分離する近代的な方法が用いられている。
ヨーロッパにおけるオリーブオイルの品質は、EU規則「Nr. 1234/2007」により1級から8級までの規格が決められている1)。1級から3級まではコールドプレス(低温度での圧搾)が製造条件とされ、食用である。中でも1級はコールドプレスに加え最初の圧搾により得られる油(エクストラバージン)であることが搾油条件であり、食用オリーブオイルの中で最も質が高いとされる。
オリーブオイルの生産国の第1位はスペインだが、市場的に「イタリアン・オリーブオイル」への需要が高いことから、イタリアでは自国での生産のほかにチュニジアやモロッコ、ギリシャなど地中海沿岸諸国からオリーブオイルを買い上げてボトルに詰め替えて輸出し、世界的な輸出国第1位となっている。
オリーブオイルは約75%のオレイン酸(オメガ9系不飽和脂肪酸)、約8%のリノール酸(オメガ6系不飽和脂肪酸)のほか、パルミチン酸(飽和脂肪酸)11%、ステアリン酸約3%、そして微量のスクアレン(サメの肝油から抽出される油として有名)で構成される。2)
1)COUNCIL REGULATION (EC) No 1234/2007 of 22 October 2007, establishing a common organisation of agricultural markets and on specific provisions for certain agricultural products (Single CMO Regulation)
http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CONSLEG:2007R1234:20080701:EN:PDF
2)五訂増補日本食品標準成分表 脂肪酸組成表編 [第2章]ー第1表 油脂類
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031801/003/013.pdf