名前にあまり馴染みがないアザミオイルとは、実は紅花油(別名サフラワー油。サンフラワーオイルではない)のこと。キク科ベニバナ属の紅花(学名:Carthamus tinctorius、英名Safflower、独名Distel)の種子から採れる油脂である。
アザミという名称は、インド・ヨーロッパ語で通俗的に「棘(とげ)を持つ野草花」一般を指し、その中でも赤紫色の花弁のマリアアザミ(英名:Milk thistle、ミルクシスルというハーブ)が代表的とされるが、広義では、このほか同じキク科だが他属で黄色い花弁を持つ紅花などもアザミに含まれる。
紅花の種から油を採る方法には、加圧時の温度が45度までと望まれる低温圧搾と、加熱してより多くの油を抽出する高温圧搾とがあり、前者は食用、後者はワニスの原料として工業製品など非食用で使われる。
紅花から採れるアザミオイルは70-80%をリノール酸が占め、次にオレイン酸、パルミチン酸という構成だが、品種によっては高オレイン酸・低リノール酸のものもある。
食用としてサラダにかけたりマーガリンの原料にも使われるほか、動脈硬化予防やリウマチなどへの医療用や化粧品にもアザミオイルは用いられる。