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南国のシンボル椰子（学名Cocos nucifera、ヤシ科ココヤシ属）の木の実であるココナッツの中の白い胚乳（コプラ）には、約70％の油分が含まれる。この油脂を絞ったものはコプラ油またはココナッツオイルと呼ばれ、圧搾あるいは化学薬品を使った抽出法によって作られる。
胚乳を細かく磨りつぶして圧搾して得た油は、胚乳に含まれる自然成分が多く残され、常温で保存しても固まらない。しかし化学薬品を使った抽出による精製では、油は漂白や脱臭加工まで施されることから、せっかく含まれているビタミンEまでもが除去され、固化しやすく心疾患のリスクを上げるトランス脂肪酸を作り出す。
ココナッツオイルの主要生産国はフィリピン、マレーシア、インドネシアで、食用のほか、化粧品や洗剤としても加工される。粉砕された胚乳はコプラフレークになり、菓子や料理などに使われることが多い。
ココナッツオイルの約90％は、ラウリン酸やカプリル酸といったなじみの少ない飽和脂肪酸で構成されている。自然成分の残ったココナッツオイルは免疫力と集中力を高め、抗菌作用があるといわれる。
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