ひまわり油は、夏のシンボルともいえる花、ひまわり(学名:Helianthus annuus、キク科ヒマワリ属、英名Sunflower)の種子から採れる。古い民間療法では便秘解消や傷口の治療、リューマチ治療などにも使われた歴史があり、現在では食用としてサラダドレッシングやマーガリンなどにも多く使われるほか、バイオディーゼルなどの燃料としても用いられている。ひまわりは元々はアフリカ原産の植物だが、現在はヨーロッパを中心に耕作され、ひまわり油はその生産量の多さから、パーム油、大豆油、菜種油とならび4大植物油の1つに数えられる。
熟したひまわりの種の皮をむいてすりつぶし、低温圧搾することによって薄黄色の透明なひまわり油が得られるが、精度の高い油を得るために、溶媒を用いた抽出方法も用いられる。ひまわり油はほぼ無臭で味もマイルドなばかりか、ほかの植物油に比べ比較的酸化しにくく、製造後12か月程度は安定している。
ひまわりの品種によって成分構成は若干異なるが、通常ひまわり油の約65%はリノール酸などの多価不飽和脂肪酸からなる。ハイオレイン酸ひまわり油は、ひまわりの種に含まれるオレイン酸の量が通常の20%前後よりも高い、約70-90%にまで改良された品種(遺伝子組換えではない)から採れるひまわり油のこと。これにより、ひまわり油とはいえオリーブ油に近い脂肪酸組成になっている。
ひまわり油はフードにとってカロリー供給源であるほか、リノール酸など必須脂肪酸供給源でもあり、またカロチンやビタミンEなど脂溶性ビタミン類のキャリアでもある。