豚脂の構成脂肪酸は、パルミチン酸約25%を始め、ステアリン酸約14%、ミリスチン酸約2%など計40%が飽和脂肪酸で、次いでオレイン酸約43%、パルミトレイン酸約3%などの一価不飽和脂肪酸が含まれる。牛脂と似ているが、多価不飽和脂肪酸のリノール酸が牛脂よりも多く約10%程度含まれている点が異なる。1)国内と海外の分析を比較すると数値に若干の差はあるは、大まかな脂肪酸配分は同じである。
豚脂に含まれるリノール酸は犬の体内で生理活性物質などに変換される必須脂肪酸の1つであるほか、豚脂の持つ体への役割はカロリーの供給と脂溶性ビタミンのキャリアなどであり、また豚脂がフードに加わることで犬の嗜好性が高まるという利点がある。
1)五訂増補日本食品標準成分表 第1表 脂肪酸組成表
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031801/003/013.pdf