オメガ6(ω6)とは、油脂を構成する不飽和脂肪酸のうち、化学構造で見たときにメチル末端から6番目の炭素分子に二重結合がある脂肪酸のことをいう。代表的なものに、リノール酸やγ-リノレン酸、アラキドン酸などがある。
リノール酸はひまわり油や大豆油、コーン油などの植物性油脂に多く含まれるほか、鶏脂や豚脂にも若干量が含まれる。γ-リノレン酸はルリチシャオイル(ボリジオイル)や月見草オイルに、そしてアラキドン酸は豚脂、豚レバー、卵黄などに多く含まれる脂肪酸である。
脂肪酸分子内の炭素分子同士に二重結合(不飽和結合)があるということは、その部分の結合が不安定で酸素分子が結合しやすい、つまり酸化しやすい性質を持つことから、抽出された不飽和脂肪酸の品質を保持するために通常はビタミンEなどの抗酸化物質が添加される。
体の中に摂り込まれたリノール酸は、酵素の作用によりγ-リノレン酸に変換され、ジホモγ-リノレン酸を経てさらにアラキドン酸へと変換される。ジホモγ-リノレン酸とアラキドン酸からは体のプロスタグランジンやインターロイキンなど血圧や生殖機能に作用する生理活性物質が作られる。γ-リノレン酸自体には抗炎症作用があるとされるほか、脳の働きには必須の脂肪酸であるといわれるが、犬での実証はまだない。