栄養学におけるミネラル類とは、体の細胞が代謝し生きてゆくために必要不可欠な無機元素のこと。ミネラルはさらに主要元素と微量元素に分類されるが、これは元素の機能による分類ではなく、体内における濃度の違いによる分類である。
主要元素にはカルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、塩素が含まれ、これらは乾燥体重1kgあたりグラム単位で存在するのに対し、鉄、銅、亜鉛、マンガン、コバルトなどの微量元素は、乾燥体重1kgあたり500mg(多くの場合100mg)以下の範囲で存在する。
食物と一緒に摂り込まれたミネラル類が体に吸収される前には、まず細菌の作り出す有機酸や胃酸などと作用して水に溶けるか、あるいは胆汁酸に結合し吸収しやすい形になる必要がある。そのため、食品加工用ミネラルやサプリメントなどでは元素単体ではなく、「硫酸マンガン」や「アミノ酸キレート化鉄」など、元素の溶解性・吸収性を考慮したいろいろなミネラル化合物が用いられる。