微量元素とはミネラルの中でも体の中に存在する量が微量(乾燥体重1kgあたり500mg以下)のものを指し、主な微量元素には鉄、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ヨード(ヨウ素)、セレンなどがある。これらの微量元素は栄養学的に必須栄養素として数えられ、また、ビタミンと異なり摂取の限界量が比較的低い。
微量元素は、赤血球中に存在しヘモグロビンを構成して酸素運搬に重要なヘムを構成する鉄や、甲状腺ホルモンを構成するヨウ素のように、体が機能するための要所において必要とされたり、酵素反応などに関与したりする。しかし代表的な微量元素のほかに、フッ素、モリブデン、ヒ素、ニッケル、鉛、シリコン、バナジウムなど、何のために存在するのかすらも説明が難しく、また量が多くなると毒性を示す微量元素も犬の体に存在する。これらは極めて微量であるため、通常の食物中に含まれる量で所要量が満たされるとみなされてる。