
体に摂り込まれたカルシウムは血中に入るが、血中のカルシウム量は副甲状腺ホルモン(パラトルモン)と甲状腺ホルモン(カルシトニン)によって厳しく一定量を保つよう制御されている。つまり、長期にわたりカルシウムの摂取量が少ないと、カルシウムは骨から放出されると同時に尿中の排出量が制限され、逆にカルシウムの摂取量が多いと骨からの放出は抑制され、尿中への排出が促進される。
丈夫な骨格を作るため、犬の1日のカルシウム所要量は、成犬で1?体重当たり100mgとされ、妊娠後期の母犬ではその需要が60%増加する。小麦や大豆などの穀物や赤身肉に多く含まれるリンの量とカルシウムとの比率が、最低1.3:1から2.1:1となるように心掛けたい。
カルシウムを多く含む自然食材の最たるものは骨で(カルシウムとリンの比率がまさに2.1:1)、そのほか卵殻、乳清カルシウムなど乳製品、そして炭酸カルシウムやほかの元素と結合させたカルシウム化合物などがある。