
亜鉛を多く含む食物には、赤身肉や小麦胚芽、キノコ類、貝類などがあり、ドッグフードにおいては、亜鉛をキレート結合させたものが多く使われている。
健康な成犬の1日の亜鉛所要量は体重1kg当たり0.9mgとされ、長毛犬種の換毛期ではこれより多くの亜鉛が必要とされる。食物と共に体に摂り込まれた亜鉛は、同時に銅やカルシウムなどが摂取されると競合し、吸収に影響を受ける。また膵臓機能の低下によって亜鉛の体内代謝が低下するため、膵臓機能に障害がある場合にも亜鉛不足の症状が見られる。一方、犬の食物中の亜鉛の過剰摂取についてはこれまで報告がなく、むしろ亜鉛を含むコインや軟膏などの誤飲により、溶血や元気消失などの中毒症状を起こすことが知られている。