枝肉を取った後の動物の骨の再利用は一般にレンダリングと呼ばれ、畜産副産物であるだけに人はあまり良くないイメージを持つが、犬の場合骨や内臓などを含まない赤身だけの食餌内容は犬の栄養学的には極めて不自然でさえある。栄養バランスに著しい偏りを生じ、障害を引き起こす原因となり得るため禁忌とされることから、畜産副産物である骨をカルシウム源とする場合には、とにかくその質にこだわりたい。
犬の栄養学の中でもとくに、リンとカルシウムのバランスは骨格を作るうえで大事なポイントとなり、肉から供給されるリンに対して骨や乳製品などでカルシウムを供給しなければ、カルシウムの吸収・蓄積はリンの過多摂取により抑制され、摂取したカルシウムは排出されることから、カルシウムが不足する傾向に陥ってしまう。さらに、カルシウム不足による様々な症状と障害の原因となるため、カルシウムを含むミネラル化合物あるいは骨や卵殻、乳製品などの自然カルシウム源から充分量を摂取することが必要不可欠である。
骨粉に含まれる主なミネラル成分は、カルシウムが約35%、リンが約16%、その他マグネシウム約0.5%、以下ナトリウム、カリウム、鉄など。カルシウムとリンの比率は2.1:1で、ハイドロキシアパタイト(化学式:Ca10(PO4)6(OH)2)を中心としたリン酸カルシウムの形で骨内に存在する。
社団法人 日本畜産副産物協会「レンダリングとは」
http://www.jlba.or.jp/con08_3.html