卵殻は、卵の中身(黄身と白身)を液卵として製造・流通させるときに大量に出る卵の殻を、卵殻膜(殻の内側に付いている薄い皮)を取り除いて焼成(=炉で過熱したり熱風にさらしたり)させたもの。また卵殻を有機酸に溶解したもの、あるいは溶解液を乾燥して粉砕したものは卵殻カルシウムと呼ばれる。卵殻と卵殻カルシウムは食品添加物として、食感の改善や栄養強化の目的で用いられる。
卵殻はその約38%が炭酸カルシウムで組成されており、リンの含有量は約1%と低く、肉中心の食餌内容にカルシウムだけを加えたいときには、牛骨粉(Ca:P=2.1:1、ハイドロキシアパタイトが主成分)よりも効率よくカルシウムだけの補給が出来る。卵殻に含まれるカルシウムの生物利用率は約60%とされ、牛骨粉に比べ吸収が良い。ちなみに犬の1日のカルシウム所要量は、成犬で1?体重当たり100mgとされ、妊娠後期の母犬ではその需要が60%増加する。
アレルゲンとなる卵タンパクは高度に取り除かれているため、黄身や白身に比べアレルゲン性は極めて低いが、卵アレルギーがある場合にもまったくアレルゲンとならない、とは言い切ることはできない。