ヨウ素は体に必要なミネラル類のうち微量元素の一つに数えられ、そのほとんどが甲状腺ホルモンの構成ミネラルとして甲状腺に集中して存在する。食物と一緒に摂り込まれたヨウ素はほとんど体に吸収されるが、ヨウ素の多量摂取による急性中毒症は食物からは極めて希である一方、肉と精白米あるいは精白小麦粉ばかりのメニューでは、ヨウ素供給が不足する傾向にある。自然食材では、昆布や魚類、糠に多く含まれる。
カリウムは体の細胞内に多く存在し、様々な酵素作用に働き、浸透圧を保つ大事な主要ミネラルの一つ。カリウムは精白米や精白した小麦粉、脂肪、砂糖などを除き、ほとんどの食材中に含まれているが、ゆでることで失われやすい。カリウム不足が長期にわたり続くと犬は元気消失やスタミナ不足、血圧降下、乏尿が見られる一方で、新鮮な水がいつでも飲める状況下においては、犬はカリウムの多量摂取に対して寛容で、体重1kg当たり1日2gまで耐えられる。1)
1)H. Meyer, J. Zentek: Ernährung des Hundes, 4., durchgesehene Auflage, Parey Buchverlag Berlin, 2001