亜鉛は、赤身肉や小麦胚芽、キノコ類、貝類などに含まれる。ドッグフードでは素材由来の亜鉛だけに頼らず、さらに犬の亜鉛所要量を満たすために亜鉛を加えるが、近年では亜鉛とタンパク質とをキレート結合させたもの(タンパク化亜鉛やタンパク質キレート亜鉛、亜鉛蛋白質化合物などと呼ばれる)が多く用いられている。
1980年代から90年代にかけて相次ぎ報告された研究により、アミノ酸やタンパク質とキレート結合させた亜鉛や銅などのミネラル成分は、有機酸と結合させた亜鉛や酸化亜鉛などの無機ミネラルよりも吸収が良く、体内に長期で留まる傾向にあることが分かり1)、近年サプリメントなどでも栄養補給源として多く用いられている。
1)H. DeWayne Ashmead: Chapter 3 COMPARATIVE INTESTINAL ABSORPTION AND SUBSEQUENT METABOLISM OF METAL AMINO ACID CHELATES AND INORGANIC METAL SALTS, The Roles of Amino Acid Chelates in Animal Nutrition,