亜鉛(化学記号:Zn)は骨の中にその多くが存在するのを始め、眼球にある網膜輝板の色素やタンパク質の四次構造、生体膜の安定などさまざまな代謝に関与する金属酵素などの構成元素である。細胞の活発な分裂に亜鉛は欠かせないため、不足すると傷の治癒に遅延が見られたり、フケや痒みなどの原因となったりいろいろな障害をきたすことが知られている。
亜鉛は、赤身肉や小麦胚芽、キノコ類、貝類などに含まれる。ドッグフードでは素材由来の亜鉛だけに頼らず、さらに犬の亜鉛所要量を満たすために亜鉛を加えるのだが、フード加工原料としての亜鉛は亜鉛単体ではなく、何かしらの物質と化合した亜鉛化合物である。
亜鉛化合物には、硫酸亜鉛や酸化亜鉛、硝酸亜鉛などの無機亜鉛化合物に加え、アミノ酸やタンパク質と結合させたキレート亜鉛などがあり、アミノ酸やタンパク質と結合させた亜鉛化合物は、無機亜鉛化合物よりも体への吸収が良い。しかし、亜鉛化合物という名称の表示だけでは、どのような亜鉛化合物が使われているかは分からない。