乳酸菌とは、糖分を代謝して乳酸や酢酸などの酸を生成する菌の一般的な総称のことで、必ずしも乳産物を栄養として生きる菌のみを指すわけではない。乳酸菌の種類は現在約200種を超え、その中でも整腸に有効に働く
プロバイオティクスとして代表的なものに、ラクトバシルス(Lactobacillus)とビフィドバクテリウム(Bifidobacterium、通称ビフィズス菌)がある。ラクトバシルスは短い棒状の形をしていることから乳酸桿菌とも呼ばれ、またビフィドバクテリウムは芽胞(生息環境が悪いときに細胞の生存に必要な遺伝子などを一カ所に集め保存するための構造:旧名「胞子」)を形成することから有胞子性乳酸菌とも呼ばれることがある(写真はビフィドバクテリウム)。
乳酸菌は牛乳に含まれる乳糖のほかにも、野菜や果物などの植物をエネルギー源として発酵するが、これら植物の発酵(=漬け物など)に用いられる乳酸菌は植物性乳酸菌と呼ばれる。
乳酸菌は、体内では腸内の善玉常在菌として細菌バランスを整え、大腸菌やブドウ球菌といったいわゆる悪玉菌の増殖を防ぐほか、腸壁表面の保護、腸のぜん動運動の恒常性維持、免疫機能促進、
ビタミンKと
ビタミンB群の生成、解毒などの役割を担う。
1)
1) M. Blaut: Ökologie des Darmes, Infektiologie des Gastrointestinaltraktes, 2006, Teil II, 45-55.
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写真概要:microscopic image of Bifidobacterium adolescentis ATCC 15703. Gram staining, magnification:1,000.
日付:2006/4/1 / 原典:Y tambe's file / 作者:Y tambe