乳酸菌飲料などによく用いられているビフィズス菌と呼ばれる菌は、学術的にはビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)のことを指し、人や動物の腸内に常在する善玉菌である。ビフィズス菌が大腸粘膜表面を覆うことで病原菌から体を守り、免疫機能を促進し、またビタミン類を生成する。
ビフィズス菌は、ラクトバシルス同様に乳酸を生成するほか酢酸も生成し、その比は3:2であるといわれる。菌の代謝活動を通して生成されるこれらの酸は腸内pHを酸性に傾け、病原となりうるほかの菌の増殖を抑える。
とくに、おならや膨満感が頻発するお腹では腸内細菌バランスが崩れていることから、そのバランスを取り戻すための鍵をビフィズス菌が握っており、またビフィズス菌はとくにフラクトオリゴ糖やイヌリンなど食物繊維の多い環境でよく増殖するので、(人の場合であれば)これらビフィズス菌の栄養源となる食物繊維を含む食材のタマネギやアスパラガス、ゴボウやチコリなどの野菜を同時に摂ると、整腸により効果的である。