糸のような形状をした菌、つまりカビを示す俗語であり、学術的に分類されたものではない。糸のような形状をしたカビの代表的なものにはアスペルギルス(Aspergillus、和名コウジカビ)やケカビ(Mucor)などがあり、前者は味噌や醤油など日本の発酵食品に欠かせない菌であり、後者は傷んだ食品の上に生えるなど日常的に見られるいわゆる「カビ」である。そのほかブルーチーズやカマンベールなどにもアオカビ属の糸状菌(ペニシリウム)が用いられ、独特の風味を作り出している(写真はアスペルギルス・ニジェール)。
これらカビには酵素を使ってタンパク質や炭水化物、脂肪などの有機物を分解する能力があり、自然界においては死んだ動植物を分解するという大事な役割を担うが、体の中に酵素を摂り込むことにより腸内で消化の助けをすることが期待される。食品に用いられる糸状菌に病原性はないものの、アレルギーの原因になる可能性はある。