ビート(Beet)またはビーツと呼ばれるカブのような形をした植物の根は、日本では甜菜(てんさい、学名Beta vulgaris ssp. vulgaris)と呼ばれ、砂糖の原料となる白いもの(別名「砂糖大根」)のほか、赤ビーツやビートルートと呼ばれる赤いものもある。日本でフダンソウ(学名Beta vulgaris subsp. vulgaris)と呼ばれるシルバービートは、甜菜と同種の改良品種で、甜菜のような根の部分ではなく、地上に伸びる葉の部分を食用とする。またビートには砂糖の原料となるサッカロースが約20%含まれるほか、整腸に役立つ食物繊維のペクチンも豊富に含まれる。
ビートは世界で年間2億4千2百万トンが生産され、その生産地は主にEU(フランス、ドイツ、ポーランド)とアメリカ、そしてロシア、ウクライナ、トルコと続く。ビートは砂糖の原料として需要が大きいことから、遺伝子組み換え対象の農作物の一つとなっており、全世界では栽培地の10%で、アメリカとカナダでは栽培地の95%で、遺伝子組み換えされ除草剤耐性を持つ甜菜の栽培が行われている。
1)
赤ビーツに含まれるベタニンと呼ばれる色素は、鮮明な赤紫色をもたらす食品用の色素として認可されている天然色素である。このほか赤ビーツには、
ビタミンB群、
カリウム、
鉄が多く含まれる。
シルバービートの葉には
ビタミンKを始め、
ビタミンAや
E、そして
ナトリウムや
マグネシウム、カリウム、鉄といったミネラル類が豊富に含まれるが、ほうれん草同様シュウ酸も多く含まれる。シュウ酸は摂り過ぎると腎臓の尿細管に結石化を起こす原因となるため、すでに腎臓に疾患を持つ犬は注意が必要。
1) transGEN Zuckerrübe
http://www.transgen.de/datenbank/pflanzen/13.zuckerr%FCbe.html