日本ではアカニレ(学名Ulmus rubra)、英名でスリッパリーエルム(Slippery Elm)と呼ばれる北米産の(日本には生息しない)ニレ科の植物。主に材木や庭木として流通しているが生息数が少ないので貴重とされている。
スリッパリーエルムはインディアン達の自然療法として数千年にわたり用いられ、またアメリカの開拓時代には、移民達が妊娠の中絶剤または助産剤として使っていたこともある。
スリッパリーエルムの内樹皮には苦み成分や防腐効果のある成分(タンニン)のほか、増粘物質、植物性ステロイド、精油、ビタミン類(A、B、C、K)や多量のカリウムとマグネシウムが含まれる。これらの成分は胃腸炎などの消化器系障害を緩和し、咽頭痛や咳にも効くと言われる。また増粘物質には、ヘキソース(六炭糖)、ペントース(五炭糖)、ペクチンなどが含まれ、関節を滑らかにし、解毒を促す効果があると言われる。
味はマイルドで、やや甘みがある。薬と同時に摂取すると薬の体内吸収を阻害する可能性があるので注意。