ブドウの実に含まれる栄養価は、品種や育つ気候・土壌・栽培条件によって幅があるが、ほとんどがブドウ糖や果糖、サッカロースなどの糖類であり、そのほかはワイン酸やリンゴ酸、クエン酸などの酸類、ミネラル類とポリフェノールなどが含まれる。
ヒトや一般的な動物がブドウを食べることはまったく無害とされるが、犬だけは例外で、ブドウを食べると中毒を起こす可能性があることが報告されている。犬のブドウ中毒は、体重1kgあたり10gのブドウあるいは2.8gのレーズン(干しブドウ)で起こる可能性があるとされているが、原因物質はまだ特定されておらず、また中毒症状が出るかどうかは、遺伝的な要因によると言われている。
中毒症状はブドウを食べてから24時間以内に現れ、嘔吐の後の食欲不振、元気消失、痙攣、腹痛、下痢などの症状が見られる。犬がブドウを大量に食べると、72時間以内に腎臓内で壊死(細胞死)が起こり、急性腎不全による尿毒症で死に至る確率が高い。1)
ブドウの種子から採れるエキス(Grape seed extract)にはプロアントシアニジンという抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれ、大腸がん抑制作用などが報告されている。2)
1) The MERCK VETERINARY MANUAL "Raisins/Grapes"
http://www.merckvetmanual.com/mvm/index.jsp?cfile=htm/bc/211106.htm
2) プロアントシアニジンの研究開発と知的財産:有賀敏明、岡田依里、テクノロジーマネジメント 2007/10、16−25
http://www.ellie-okada.com/pdf/OKADA_article0710.pdf