やけど治療や肌の保湿剤として知名度が高いアロエ(学名Aloe vera)は、葉肉が厚い多肉植物。アロエベラという学名以外にもAloe barbadensisやAloe indica、Aloe perfoliata、Aloe vulgaris、Aloechinensisといった別の学名もついている。葉肉内部に多量の水分を蓄えることから、保湿性成分として化粧品などに多く使われている。
アロエに含まれる多糖類とその他の物質――例えばサリチル酸によって、やけどや皮膚炎、日焼けなどの鎮静効果があり、またアロエの汁に含まれるアントロナグリカ(デヒドロキシアントラセン誘導体)という物質は大腸を刺激し、腸内へ電解質と水分の分泌を増加させ便秘の解消を促す。さらには抗菌作用があるという研究報告もなされているほか、民間療法ではアロエの葉肉を摂ることによっていろいろな疾患に効果的であるとされるが、これらには薬学的な裏付けはまだないことから、外用または下剤としての利用に留めておくのが良いとされる。
長期に渡り摂り続けると電解質(特にカリウム)が失われ、心筋・筋肉機能に支障をきたすほか、腸が刺激され続けることから血の混じった下痢を引き起こす。それに伴い子宮の収縮も起こるので、妊娠中の犬に与えると流産の可能性がある。