日本ではカミツレ(学名Matricaria recutita)と呼ばれるカモミール(Camomile)はジャーマン・カモミールとも呼ばれ(ローマン・カモミールもあるが、日本では通常カモミールといえばジャーマン種を指す)、白い花弁に黄色の管状花を持つ外見のかわいらしいキク科の植物。花が薬草として用いられる。
花から採れる精油の大部分をビサボロールが占め、その他1-2%のフラボノイド(ルテオリンなど)、フェノールカルボン酸(アニス酸、クロロゲン酸など)、増粘物質、ミネラル成分を含む。精油はフラボノイドなどとともに抗炎症作用や抗痙攣作用を示すほか、抗菌作用と抗細菌毒作用があり、消化器系障害に効果的である。さらには上皮組織の代謝と肉芽組織の形成を促進することから、創傷治癒にも有効である。
ただし、カモミールエキスには収斂作用があるので、眼やその周辺の炎症への使用は勧められない。