キャラウェイ(Caraway、学名Carum carvi)は、独特の芳香を持つセリ科の植物で、アラブ諸国やヨーロッパでは、古くから種子がハーブや香辛料として多く用いられてきた。同じセリ科の植物でカレーなどの香辛料に使われるクミン(学名Cuminum cyminum)と形がよく似ているが、キャラウェイの種子はクミンの種子に比べ小型で、味がマイルドである。3-7mmほどの長さの種子には精油が3−7%程度含まれ、その95%はカルボンとリモネンといった成分で構成されている。
キャラウェイ独特の香りはそのカルボンによるもので、食欲増進効果や膨満感の抑制、鎮痛効果、痙攣緩和効果のほか、細菌・カビ類の成長阻害効果もあり、また肝臓では解毒酵素の合成を促進してくれる。民間に伝わる自然療法では、月経障害や授乳時のストレスを緩和し泌乳量を増やすと言われているが、薬学的な裏付けはなされていない。
長期にわたるキャラウェイ種子の多量摂取あるいはキャラウェイ油の直接摂取は、肝臓障害や腎臓障害を引き起こす可能性があるので要注意。