チアミンラウリル硫酸塩は、チアミンに界面活性剤のラウリル硫酸塩を結合させた物質で、本来はビタミンB1を強化するための栄養目的の食品添加物として認可されているが、これを食品に加えることで日持ちがよくなり、またそれでも保存剤としての表示の必要がないことから、現在多くの食品に使用されている。1)
摂取されたビタミンB1は犬の体の中で心臓や骨格筋、腎臓などに少量が蓄積されるほか、過剰なものは尿中や糞便に排泄される。しかし研磨された穀類(白米、白い小麦粉とその製品)や甘味の強いものばかりを摂り続けたり、慢性の下痢症状が続くと、体に十分なビタミンB1量が供給されず、また体に蓄積されたビタミンB1が枯渇して欠乏することで、犬も人と同様に心臓・神経・筋肉の機能に疲労を伴う脚気(かっけ)症状が現れる。またその前兆として食欲不振や食糞などが見られる。
健康な成犬では体重1kg当たり1日約20μg(小麦胚芽10gまたはドライイースト0.2gに相当)のビタミンB1を摂っていれば十分量であるとされ、若い犬や妊娠・授乳中の犬ではこれよりも多くが必要とされる。
1) 日本食品添加物協会 「指定添加物一覧」
http://www.jafa.gr.jp/tenkabutsu01/pdf/sitei111227.pdf