
パントテン酸は吸湿性に富んだ粘りのある液体で不安定であるため、食品へはカルシウムと結合させることで性状を安定化し、パントテン酸カルシウムという化合物として添加されている。これによりパントテン酸単体に比べ水に溶けやすく、また体で吸収されやすくなっている。
健康な成犬のパントテン酸所要量の目安は体重1kg当たり1日200μg(牛レバー約3.1gに相当)とされ、成長期の子犬や妊娠・授乳中の母犬ではその倍量が目安とされる。パントテン酸はあらゆる食材に含まれることからこれまでに特に欠乏症例の報告がないが、実験的な調査からは食欲不振や成長停滞、嘔吐、下痢、神経過敏、昏睡などの症状が出ることが分かっている。また体内に摂り込まれた過剰なパントテン酸は、腎臓で濾過され尿中に排泄されるので過剰症はない。