
長期にわたり生卵(あるいは噴霧乾燥させた卵白)を摂取すると、卵白に含まれるアビジンが腸内でビオチンと結合して不溶性化合物となって吸収が妨げられ、ビオチン不足が顕著に表れる。加熱した卵白であればアビジンは不活性化し、問題はない。
ビオチンが不足するとまず毛質が悪くなり、パサついたり折れたり切れやすくなるほか、抜け毛や白髪が増え、フケが出やすくなるだけでなく、ケラチン合成が滞ることによる皮膚炎や皮膚の肥厚、痒み症状などが現れる。妊娠中の母犬でビオチンが不足すると、生まれてくる子犬に肺浮腫や開眼遅延などの影響が見られることが知られている。