
ビタミンB12の所要量は、成犬体重1kg当たり一日0.5μg(牛レバー約10gに相当)、成長期の犬でその倍量と言われ、ほかの水溶性ビタミン同様に過剰に摂取された場合は尿中に排泄されるので、過剰症はない。
ビタミンB12は小腸下部で吸収され、体内の様々な酵素反応に必要な補酵素B12(コバラミン)に変換され、とくに細胞分裂と造血、そして神経系において重要な役割を果たす。ビタミンB12が不足すると赤血球の生成のためのDNA合成に障害が起こり、正常な赤血球が作られずに貧血(巨赤芽球性貧血、悪性貧血)に陥る。
ジャイアント・シュナウザーでは、回腸壁繊毛上のビタミンB12吸収レセプターが欠如する劣性遺伝のビタミンB12吸収不能疾患が知られている。またサナダムシなど扁形動物の寄生虫に感染していると、食物と共に摂取したビタミンB12を寄生虫に奪われ、ビタミンB12不足に陥ることもある。