食物と一緒に体内へ摂り込まれたβ-カロチンは、食餌中の脂肪成分と共に肝臓や脂肪組織へと運ばれて蓄積される。
犬の体は、このβ-カロチンを必要に応じてビタミンAに変換できるため、仮に直接ビタミンAを摂取しなかったとしても、β-カロチンを摂っていればビタミンA不足に陥ることはない。1mgのβ-カロチンは500IU(国際単位)のビタミンAに変換されることから、犬の体に必要なビタミンAの所要量(1kg体重当たり1日75ー100IU)をβ-カロチンに換算すると、1kg体重当たり1日約3gのニンジンでまかなわれることになる。しかし、吸収は食餌中の脂肪分などに影響される(ヒトにおいては、摂ったβーカロチンの約3分の1程度しか吸収されないとされる)ので、レバーなどビタミンAを含む食材を組み合わせ、β-カロチンはあくまでもビタミンAの補助として摂ることが望ましい。
なお、炒めたニンジンなどの油に溶け出したβ-カロチンを長期で頻繁に摂ると、歯に色素が沈着して黄色くなる場合があり、そのカロチン色素が沈着した歯を漂白することは難しい。
PubChem Compound "beta Carotene"
http://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/summary/summary.cgi?cid=5280489