ほかの豆類では成分の大部分を炭水化物が占めるのに対し、大豆は「畑の肉」とも呼ばれるほどタンパク質が豊富で、乾燥大豆中の約35%を占め、炭水化物はそれよりも少ない約28%程度にとどまる。そのほか約19%の脂質(うち10%以上がリノール酸やリノレン酸などの多価不飽和脂肪酸)、約17%の食物繊維、ビタミン類(B群、E)、ミネラル類(カリウム、リン、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛)などを含む。大豆はまた植物性ホルモン(フィトエストロゲン)のイソフラボンを含むことでも有名で、この成分は雌性ホルモンであるエストロゲンと似た作用がある。
大豆には、ほかの豆類同様に天然の防虫抗菌物質であるタンニンやレクチンも含まれるため、食用には必ず加熱を要する。犬では大豆に含まれるオリゴ糖成分を消化することが出来ないため、大腸で発酵しおならの原因となったり、便が軟らかくなるほか、多量の摂取により腸内でガスが多く発生し、鼓腸症の原因となり死に至ることがあるので、摂取量には十分注意が必要である。
なお豆乳とは、大豆を茹で、磨り砕いて絞り、主に繊維質を取り除いた液のことで、飲料用豆乳の製造段階では、飲みやすいようにこれに少量の糖分や塩分などが加えられる。豆乳には3.6%のタンパク質が含まれ、これは牛乳に含まれるのと同じくらいのタンパク質量であることから、牛乳の代替品として乳糖不耐症対策に用いられることが多く、しかし豆乳に含まれるカルシウムは牛乳の約8分の1である。このほか豆乳には3.1%の炭水化物、2.0%の脂質、0.2%の食物繊維が含まれ、そしてなによりも豆乳の91%を水分が占める。
大豆は、アメリカで1930年前後に遺伝子組み換えを施した品種の栽培試験が始まって以来、現在ではその栽培シェアの94%が遺伝子組み換え品種である。また、カナダやメキシコ、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリア、中国、韓国、台湾など各国のほか、日本でも遺伝子組み換えされた品種が栽培されている。日本では食品を対象に、遺伝子組み替えされた大豆原料が5%以下の混入である場合のみ「遺伝子組み換えでない」と表示しても良いことになっているが1)、ドッグフードはその表示の対象外であるので、どのような原料が使われているのかを原材料表示からは知ることが出来ない。
1)農林水産省 遺伝子組み換え食品の表示
http://www.maff.go.jp/j/fs/f_label/f_processed/gene.html