植物のタンパク質の中でも、とくに穀類のタンパク質を総称してグルテンという。穀類を粉砕したもの(例えば小麦粉)に水を加えてこねるとプロラミン系物質(小麦の場合グリアジン)とグルテリン系物質(小麦の場合グルテニン)が結合し、ゴムのように粘りのある塊グルテンが出来る。この弾力性のあるタンパク質の性質を利用して、パンのようにしっかりとした生地を作ることが出来る。多くの場合、グルテンは穀物デンプンを精製する際に生じる副産物で、フード中のタンパク質量を調整するのに多く用いられる一方で、グルテンは穀物アレルギーの際のアレルゲンであるため、穀物アレルギーがある場合にはまずグルテンを含む食材・原料を避けるべきである。
グルテンを含む穀物の代表として小麦や大麦、ライ麦、スペルト麦、オーツ麦、ライ小麦(ライ麦と小麦の交配種)などがあり、とくに記載のない場合はこれら麦類を合わせてグルテンを分離していることが多い。
雑穀のヒエや粟(あわ)、キヌア、アマランサス、ソバなどはグルテンフリーのため、麦類の代替食材・原料としてよく用いられる。